心の罹災 アイデンティティーの喪失
昨日は3月11日の東北大震災・津波そして原発事故からもう半年が過ぎてしまいました。
これまで政府や自治体も復興や放射線物質の除去を推進すると言いながら、国民から見ると進捗状況も遅れて明るい兆しが見えません。
いまから65年前の太平洋戦争の最後には、東京は爆弾と焼夷弾で焦土に近い状況になりました。
大空襲の後には、焼け跡の防空壕に焼け焦げた柱を立て、焼けたトタン板で屋根を葺き、ちょうど縄文時代の竪穴住居みたいなものを一日で作り上げていました。
食べ物は当時配給制度でしたが大空襲の時は3日くらい食料が無く飢え死に寸前の頃にやっとコッペパンと沖縄百号と呼ばれたまずいサツマイモが5~6個配給されるような惨状でした。
しかし焼け出された住民は勝つためという意気込みで、道に捨てられた両切りたばこの吸い殻を拾い集め、吸い残しのたばこを巻き直して、シケモクと称して売り歩いたり、田舎に買い出しに出掛けて食料をもらってたくましく生きてきたのです。
当時は日本政府の救済支援もなく、今のようにボランティアによる救済もなく、医療も皆無の状況でした。
今の日本は地震と水害(大津浪)、そして福島の原発による汚染が直面する罹災です。原発の汚染は何十年先まで続くか分からず、何時我が家に帰れるかも予想も付かない状況にあります。
しかし義援金の支給やボランティアの手助け、不十分でも生活保障がなされていますが、被災から立ち上がる意気込みや国民の復興に対する意気込みが今ひとつ弱いように思います。
日本はこれまで幾多の難関を突破してきたのに、今の無気力な雰囲気は何故だろうとこれまで考えてきました。
日本の東北地方は現実に罹災を受けてこれからの生き方も定まらず不安に覆われていますが、日本全土も将来の日本の前途に対し政治、経済、外交に対して不安感が漂っています。
この現象は今回の自然からの罹災や原発事故の罹災だけでなく、精神的にも全国民が「心」の罹災者になっているのが原因だと判断しました。
今の日本に国家を自覚できる行政が感じられません。
町の有志が世話ごとをしている市民社会に成り下がって仕舞いました。
戦時中は罹災を受けても、日本の本土も戦場だと国民が思い、勝つまで頑張らなくてはならないと腹で決めていました。
しかし今の日本には頑張る強力な目標が無いのです。
人間にとって活動の原動力は心の元気だと言うことを再認識しました。
以前、家族のことでアイデンティティーが無くなれば法律上は家族であっても実態は同居人が集まっているに過ぎないと書きました。
アイデンティティーとは平たく言えば「自分の心の拠り所」と言う意味です。
現在の日本人は国家にも政府にも、自治体に対してもアイデンティティーが喪失している状況にあるのです。
国民が心を団結して、不安で覆われている今の日本に復興という目標を与えてくれる力強いリーダーが欠如しているのです。
政界は相手を揶揄するだけで復興のための法案も後送りにされています。
このような状況では開発途上国にみる国家と同じレベルだと言わざるを得ません。
日本の若い男性はいつの間にか中性化して、リビアに見る男子の若者や女性の方が問題解決に邁進しているのをニュースで見てうらやましく思いました。
幸い、なでしこジャパンがドイツで女子ワールドカップに優勝し、一昨日にはロンドンオリンピックアジア予選で1位で通過したニュースは国民にとって心の罹災者として救われた気持ちになりました。
日本人の伝統に持っていた我慢強さとねばりが発揮され、日本人がホッとさせられる快感を味合わせてくれました。
あまりスポーツに関心のない私自身でも感動させてくれた快挙でした。
日本の国民もなでしこジャパンの活躍でどれだけ気持ちを癒されたか分かりません。
心の罹災者には言葉だけでただ「がんばれ」といっても何の効果もないのです。力強さを見せて欲しいのです。
日本もこれからは女子の時代に突入したと感じました。
地球上の生物の発生の歴史をたどれば、生物はメスから進化したもので、オスは種付けとメスの保護を目的に進化してきたのですから、このあたりでメスの再評価の時代に入ったかなと思うようになりました。
東京都知事の石原さんもなでしこジャパンの沢主将を表彰するとき
「あなたが首相になって欲しいです」と声を掛けていましたね。
女性はこれまで経済を男性に任せ、男尊女卑の意識で扱われていましたから、日本の歴史の中で長い間にわたって我慢することに耐えてきました。
これからは人類の幸せのために女性がもっともっと先頭に立って活躍して欲しいと願わずには居られません。
そして国民の心の被災者を女性の力でもって力強く癒してください。
いま社会にみなぎる不安を少しずつ取り除くことができたら国民の勝利です。










